t-kuma@web > Archives > 2004/06/16 > Jaco Pastorius
ジャコ・パストリアスという音楽家が、僕にとってこれほど重要な人物になったのはいつ頃からだろうか。偉大なベーシストであるのと同時に、素晴らしい作編曲家でもあるジャコを初めて知ったのは、僕がまだベースを始めたばかりで、技術修得の為に「凄腕ベーシスト」の音源を買い集めてた頃でした。
当時はジャコの速弾きにノックアウトされて、自分にこの速さを弾く事ができるのか、ということばかりを追い求めていましたが、そのうち、ジャコのベースラインの素晴らしさに気付き、曲の素晴らしさに気付き、ホーンをはじめ全体のアレンジの素晴らしさに気付くにつれて、僕の中でジャコはどんどん大きくなっていきました。
いまだに、僕の弾くベースにジャコの影響は大きく残っているし、特に、感情を表現するような細かいニュアンスの付け方の技術的方法論は、ジャコをパクってるといっても過言ではないと思います。いやいや、パクれてすらいないな。
マーカス・ミラーは、十代の頃それこそ朝から晩までジャコのレコードをコピーしていた時期があったらしいが、いつか「もうジャコを弾くのはやめよう」とふっきり、自分のベースプレイを確立させていったようですが、僕にはたしてそんな時が来るのかはなはだ不安です。
という訳で、そんなジャコの作品の中でも好きなものをいくつかと、その感想を下に載せときます。
非常に透明感のあるアルバムだと思います。暗闇に楽器だけが鮮明に浮かび上がってるような感じで。
バードランドやティーンタウンなどの名曲が収録されていて、どれも当然素晴らしいですが、僕にとってこのアルバムのハイライトはラストのハボナです。この曲にはベースソロがあるんですが、このソロが非常に美しい。今まで聴いたソロ(楽器問わず)の中で一番好きです。そして、曲事体はさらに美しいです。
ウエザーリポート時代は、ライブよりスタジオ盤の方が好きです。
このアルバムをレコーディングした時、ジャコは24歳。今、この文章を書いてる僕も24歳(2004/6/16にリ・リライト時28歳。トホホ)。やっぱりジャコは凄い。
このアルバムは全曲素晴らしいんですが、特にオコンコレ・イ・トロンパが好きです。バッキング的なハーモニクスの使い方は、トレイシーの肖像よりもある意味衝撃でした。
この作品は、アルバム1枚通してひとつのストーリーがあるような気がします。サントラっぽいと言うのとはまったく別な意味で映画っぽい。
かと言って映像を思い起こさせる訳でもないし……音楽的なストーリーがあるように感じます。1つの曲を作る時に考える、Aメロ、Bメロとかいうものを、暗にアルバム全体にも当てはめてるんじゃないかとすら思います。
ジャコのライブ音源は沢山ありますが、これは今まで聴いたライブ盤の中でもかなり良い方だと思います。ジャコのコンディションも含めて。
レーザからジャイアントステップになって、またレーザに戻る曲があるんですが、その曲でのバンドの、特にジャコの高まりようが凄まじいです。映像のない音情報だけで、ここまでの高まりを感じさせられるアーティストって、なかなかいないと思います。
このアルバムは、ジャコのベストだと思います。ジョニ・ミッチェルのバックバンドとしてのライブ演奏なんですが、歌もののバックでのベースプレイとして、こんなに凄い演奏は聴いたことがないです。
いつものジャコのプレイと変わらないだけの「攻め」のベースプレイで、それでも歌を殺さない、いわば「攻めの伴奏」です。名演です。