t-kuma@web > Archives > 2004/12/16 > ベースという楽器としての役割と、アンサンブルにおける役割
ベースという楽器の役割は、やはり楽器の特性上「低音部」を受け持つことだと思います。したがって、アンサンブルにおけるベースの役割はもちろん「ベースパート=低音部」な訳ですが、ではその「低音部」とは具体的に「何の低音部」なのかと考えると、これは「ハーモニーの低音部」ということになると思います。
コードの進行によって刻々変わっていくハーモニーの芯になる音を担当し、アンサンブル全体のハーモニーを導きつつ支えていくことこそが、ベースという楽器の一般的な役割で、かつ、面白いところのひとつだと思います。
しかし、アンサンブルの中において低音部を受け持つことができる楽器はベースだけではありません。たとえばピアノの左手は十分に低音部として機能すると思います。一般的に、ベースとピアノがアンサンブルの中に同居する場合は、ピアノは和音から低音部を省略してベースとぶつからないように弾いていることが多いと思いますが、もしもピアノが低音部まで全て弾いているような場合、ベースは低音部を弾かなくてもアンサンブル的に問題ないという考え方もできると思います。というか、最近度々このような状況を経験しています。
ベースの高音部の音質や、和音の独特な響きなどが非常に美しいことは、ベース弾きならみんな知っていると思いますが、これらの音を使う機会はイマイチ少ないのが実情でしょう。しかしながら、他の楽器に低音部をおまかせすることができれば、いくらでも使う機会が作れるってもんです。ギターや、ストリングスや、シンセサイザーや、コーラスなどのような感覚でベースという楽器を弾いて、いつもと違ったアレンジを作り出すのも面白いんじゃないでしょうか。
今、僕はこういったアプローチが楽しくて楽しくて、かなりハマってます。完全に低音部を他の楽器にまかせてしまわずとも、アルペジオ的フレーズを拡張したりして、低音部からちょっとだけ逸脱したフレージングもできるんじゃないかと思います。
ただ、このようなアプローチをする場合は、当然ながらアンサンブル全体のコード感や雰囲気などを、自分がきちんと聴きとることができなければなりませんので、常に自分以外のパートの音と自分の音の関係を感じながらの演奏が必須となってくると思います。なかなか難しいですよね、これは。でも当たり前なことでもありますよね。