t-kuma@web > Archives > 2005/02/21 > 左手の運指考察 [2] 左手の小指と薬指の訓練について
僕はベースをはじめるずっと以前から本屋が大好きで、暇さえあれば本屋に行っては、いつまでも居座っているような人間だったので、いざベースをはじめようと思った際に、そのために必要な情報は専門書籍の中にあることを知っていました。そのため、ベース本体を入手する前から必要な情報は立ち読みによって得ていました(やる気なら買えよって感じですが……)。
それらの本には必ず「小指を鍛えるべし」的なことが書かれていたので、初めてベースの練習を行うときから迷うことなく、小指の鍛錬に取りかかったのだと思います。
後にして思えば「当時の自分ナイスすぎ!」でした。
早い時期から人差指から小指までの4本をすべて使えたおかげで、上達のスピードがかなり速かったであろうことを、ある程度弾けるようになってから感じました。4本指すべてを使う前提で運指をしていたため、1フレット1フィンガーも自然に実践していました。
ところが喜びもつかの間、運指の難しい曲に取り組んでいたときに、本当に厄介な指は小指じゃないことに気づきました。小指の隣にある「あの指」は意外なほど独立して動くことができない……。なんてこった、本当の敵(?)は薬指だったのです!
1フレット1フィンガーを実現するためには、当然ながら4本の指すべてで押弦できなければなりません。小指が使えないという人も多いと思いますが、僕の経験上一番不器用な指は薬指です。したがって、この2本をきちんと鍛えれば、4本の指を使っての1フレット1フィンガーはできたも同然です。
よく、「おれは小指使えないんだよねー」という人がいます。そのような人や初心者が、1フレット1フィンガーによる運指を行うのは難しいのでしょうか。僕はそんなことはないと考えています。
1フレット1フィンガーといった運指を含め、演奏という行為を行うのは人間の身体です。身体というものは、今までにやったことのない動作をすんなりと実行できるようには出来ていません。それは、未経験の動作を行うために必要な筋力が不足していたり、筋力はついていたとしても、その筋肉をどのくらいの力で、どのように動かせば良いのかという情報が脳の中のどこにも無いためだと思います。
左手の中でも、薬指と小指をいまいち上手く動かせないのは、そのための筋力が不足していたり、動作に必要な筋肉をどういったさじ加減で制御すればよいかという情報が不足していたりするからです。左手に限らず、単純に動作が上手くいかないケースは、たいていこの辺に原因があると思います。
したがって、やるべきことは単純です。
これだけです。
この2点は、各人の先天的要素(身体能力とか素質とかセンスとか)とはまったく関係なく、単純にトレーニングを繰り返せば解決できる問題です。
これをしっかりやれば良いのです。動作に慣れるということは、動作に必要な情報が脳にしっかりとインプットされ、必要なときに必要な動作ができる準備を完了した状態になることに等しいと考えます。
また、トレーニングによって慣れることができても、その後もトレーニングは継続する必要があります。今まで未経験だった動作というものは、意識して行わなければ普段は行わない動作ということです。放っておくとすぐにまた筋力が低下し、脳に覚えこませた情報も忘れ去られていきます。結局は「継続は力なり」なのです。
僕が過去から現在までやってきた、トレーニング用の運指をいくつか紹介します。
G|-----------------|---------7-8-9-10|10-9-8-7---------|-----------------|
D|-----------------|7-8-9-10---------|---------10-9-8-7|-----------------|
A|---------7-8-9-10|-----------------|-----------------|10-9-8-7---------|
E|7-8-9-10---------|-----------------|-----------------|---------10-9-8-7|
F|1-2-3-4--1-2-3-4-|1-2-3-4--1-2-3-4-|4--3-2-1-4--3-2-1|4--3-2-1-4--3-2-1|
1ポジションで、1フレット1フィンガーによって弾ける範囲の音を上行し下行するフレーズです。ベースをはじめた頃の日課フレーズでした。
E|7-8-7-9-7-10|8-9-8-10-9-10|8-7-9-7-10-7|9-8-10-8-10-9|
F|1-2-1-3-1-4-|2-3-2-4--3-4-|2-1-3-1-4--1|3-2-4--2-4--3|
とにかく色々な運指をやってみようといったフレーズです。例はE弦のみですが、すべての弦で行います。
G|------------7H9|---------------7H10|9P7------------|10P7---------------|
D|--------7H9----|----------7H10-----|----9P7--------|-----10P7----------|
A|----7H9--------|-----7H10----------|--------9P7----|----------10P7-----|
E|7H9------------|7H10---------------|------------9P7|---------------10P7|
F|1-3-1-3-1-3-1-3|1-4--1-4--1-4--1-4-|3-1-3-1-3-1-3-1|4--1-4--1-4--1-4--1|
ちょっと解りづらいですが、「7H9」という表記は「7フレットを普通に弾いて、ハンマリングで9フレットの音を出す」という風に読んでください。同様に「9P7」は「9フレットを普通に弾いて、プリングで7フレットの音を出す」という感じです。
この譜例では、人差し指と薬指、あるいは人差し指と小指という組み合わせですが、慣れてきたら「7H9」や「9H7」を中指と小指でやってみても良いと思います。
G|------10-7-------|------9---------|------8---------|-------7-10------|
D|----9------8-----|----8---10------|----7---9-------|-----8------9----|
A|--8----------9---|--7--------9---7|--8-------10---8|---9----------8--|
E|7--------------10|8------------8--|9------------9--|10--------------7|
F|1-2-3-4--1-2-3-4-|2-1-2-3-4--3-2-1|3-2-1-2-3-4--3-2|4--3-2-1-4--3-2-1|
とにかく斜めに運指しているだけですので、フレーズに意味はありません。1ポジション内でボールが跳ね返るように斜めに斜めに弾いていけば、もっと色々な運指が考えられるのではないでしょうか。
譜例4から7までは、とにかく色々な組み合わせで1ポジションを弾いてみようといった譜面で、音楽的なことは何も考えられていませんでした。指に必要な筋力がついていないような場合は、このようなパターンのトレーニングを多数おこなう必要があると思いますが、毎日継続して行うには退屈なフレーズだと思います。
2フィンガーピッキング考察でも書きましたが「日々の練習を「訓練」としてではなく「音楽」として行うことが、音楽性を高める事にもつながっていく」と僕は考えているので、フレーズに音楽的な気持ちよさや意味などを盛り込んで「ために成るフレーズ」を弾くようにするべきです。
以上を踏まえて、日々弾いていけそうなフレーズ……というか、僕が日々弾いているフレーズをいくつか紹介します。
G|------------------|------------------|
D|------------7-9-10|10-9-7------------|
A|-----7-8-10-------|-------10-8-7-----|
E|8-10--------------|--------------10-8|
F|2-4--1-2-4--1-3-4-|4--3-1-4--2-1-4--2|
単なるドレミファソラシドですが、きちんと1フレット1フィンガーの運指で何度も弾こうと思うと、それなりにつらいと思います。つらいという事は鍛えられているということです。
G|-----------------|------------7-----|------------------|-----------------|
D|----------------7|---9-7-10-9---10-*|10-7-9----7-------|-----------------|
A|--7----8-7-10-8--|10----------------|-------10---8-10-7|8----7-----------|
E|8---10-----------|------------------|------------------|--10---8-10-7-8-*|
F|2-1-4--2-1-4--2-1|4--3-1-4--3-1-4---|4--1-3-4--1-2-4--1|2-4--1-2-4--1-2--|
ドレミファソラシドを基本に、「ド→ドの3度上→レ→レの3度上→ミ→ミの3度上→ファ→……」というルールで上行し、オクターブ上のドまで上がったら、「ド→ドの3度下→シ→シの3度下→ラ→……」というルールで下行するフレーズです。
G|----------------7|---9---10---7-----|10---9----7-------|-----------------|
D|--7----9---10----|-----7----9---10-*|---7----------10--|9----7-----------|
A|---------7----8--|10----------------|-------10---8----7|---------10------|
E|8---10-----------|------------------|------------------|--10---8----7-8-*|
F|2-1-4--2-1-4--2-1|4--3-1-4--3-1-4---|4--1-3-4--1-2-4--1|2-4--1-2-4--1-2--|
ドレミファソラシドを基本に、「ド→ドの6度上→レ→レの6度上→ミ→ミの6度上→ファ→……」というルールで上行し、オクターブ上のドまで上がったら、「ド→ドの6度下→シ→シの6度下→ラ→……」というルールで下行するフレーズです。これはかなりつらいんじゃないでしょうか。
他にもたくさんフレーズを紹介できると思っていたんですが、1ポジション限定とするとなかなか無いものでした。ポジション移動を含めた譜例は「左手の運指考察[4] ポジション移動について(予定)」で紹介したいと思います。
よーすけさん、こんにちは。
そう言っていただけると最高に嬉しいです! 2フィンガーの方もお役に立てれば幸いです。
この運指考察も、もう少し続きを執筆中ですので、アップした際はぜひ読んでやってくださいね。
こんにちわ^^wこのサイトをみてからベースを弾く前には必ずこのような準備運動をするようになりました。おかげで小指も鍛わり割とスムーズに指が動くようになってきました!ありがとうございます^^これからツーフィンガーも覚えていきたいと思うので、ヨロシクお願いしますv